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つばめBHB 地産地消型アンモニア製造装置普及に向け約40億円を調達
- Publish :
- 2022.07.25
エレクトライド系触媒を用いた小規模プラントでのオンサイトアンモニア生産の実用化を目指すつばめBHB株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 渡邊昌宏、以下「弊社」)は、この度、味の素株式会社、UMI1号投資事業有限責任組合、UMI2号投資事業有限責任組合、日本郵船株式会社、みらい創造二号投資事業有限責任組合、出光興産株式会社、株式会社INPEX、山九株式会社、西日本プラント工業株式会社、株式会社日本政策投資銀行、三井住友信託銀行株式会社、i-nest1号投資事業有限責任組合を引受先としたCE型新株予約権により、総額約40億円の資金調達を実施致しました。
資金調達の背景
弊社は、東京工業大学の細野秀雄栄誉教授らが発見・発明した、低温・低圧条件下で高効率のアンモニア合成が可能であるエレクトライド系触媒を用いた小型アンモニア製造装置を開発しました。2019年10月よりパイロットプラントでの実証試験を経て、この度小型アンモニア製造装置の本格販売を開始します。また、弊社はNEDOのグリーンイノベーション基金「燃料アンモニアサプライチェーンの構築プロジェクト」の触媒開発チームに参画し、非貴金属を用いたエレクトライド系触媒の開発を担っています。商業機の社会実装と新たな技術開発を同時に進めています。
この度調達した資金を活用し、地産地消を可能にする小型アンモニア製造装置の普及と、新たな触媒や新規プロセスの開発等を行い、食糧危機の解決、脱炭素社会の実現に向け、一層加速して事業を推進してまいります。
今回の増資による主な資金使途
- オンサイトへの技術導入拡大
- 新規プロセスの確立
- 次世代触媒の量産化に向けた研究開発
- プロセスの効率化や生産性を高めるための研究開発
- 人材の採用
新規投資家からのコメント
出光興産株式会社 執行役員
山本 順三氏
当社はカーボンニュートラル社会の実現のため、燃焼時にCO2を排出しない次世代燃料であるアンモニアに着目し、当社事業所での活用に加え、パートナー企業とアンモニアサプライチェーン構築に向けた取り組みを検討しております。今回の出資によって、革新的なアンモニア合成技術を有するつばめBHB株式会社との連携を強化し、クリーンエネルギーの普及に向けて取り組んでいきます。
株式会社INPEX 執行役員 水素・CCUS事業開発本部本部長補佐、技術開発ユニットGM
加賀野井 彰一氏
つばめBHB社が開発を進める新たなアンモニア合成技術は、従来技術より低温・低圧でのアンモニア合成を可能とすることで、消費動力削減や安全性の向上に繋がるとともに、クリーンなアンモニア製造を通した脱炭素化への貢献が見込まれます。
弊社は、つばめBHB社の小規模オンサイト型のアンモニア製造の事業化および、将来の大規模化・低コスト化実現をサポートし、つばめBHB社とともにクリーンエネルギーの供給に取り組んでいきます。
山九株式会社 常務執行役員
結城 俊雄氏
アンモニアは二酸化炭素を排出しない次世代燃料として、電力の脱炭素化への貢献が期待されています。つばめBHB株式会社の革新的な触媒技術を用いたソリューションおよびビジネスモデルに、物流・機工・構内操業支援を行う当社事業を融合させ、脱炭素社会の実現に貢献したい想いから資本参加を決定いたしました。国内外へのオンサイトアンモニア製造装置の普及に貢献し、環境負荷の低減を積極的に推進してまいります。
西日本プラント工業株式会社 代表取締役社長
佐々木 有三氏
電力業界では、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、火力発電所におけるアンモニア混焼等、電源の脱炭素化に積極的に取り組んでおります。今後、アンモニアの需要は、燃料利用等による劇的な増加が期待されており、つばめBHB社の高効率アンモニア合成技術は、将来のアンモニア供給の一翼を担うキーテクノロジーのひとつになると考えます。弊社は、得意とするプラントの建設・メンテナンス技術を最大限活かし、つばめBHB社や他の出資者の皆さまと力を合わせ、脱炭素社会の実現に取り組んで参ります。
株式会社日本政策投資銀行 企業金融第1部課長
山口 健一氏
つばめBHBは、触媒をはじめとする革新的な技術を用いて、世界に先駆けオンサイトアンモニア供給システムの社会実装化を進めておられます。つばめBHBが起こすアンモニア産業におけるイノベーションは、世界の環境・食糧問題の解決に寄与するものと期待されています。弊行は、リスクマネーの供給等によりつばめBHBが起こすイノベーションを支援することで、アンモニアを取り巻く産業基盤の強化を関係者皆様とともに推進していきます。
三井住友信託銀行株式会社 フェロー役員 インパクトエクイティ投資部長
穴繁 康氏
つばめBHBは、窒素肥料が不足しているアジアやアフリカでの飢餓解決のほか、燃料アンモニアを通じた環境問題への貢献など、社会に多大なポジティブインパクトを創出する可能性を有している企業であると期待しております。また、弊社は、地域の未利用エネルギーから安価に水素を製造する実証プロジェクトを推進しており、同社と伴走することで、水素・アンモニアサプライチェーン構築に向けた取り組みを推進し、持続可能な社会の実現に向けたポジティブインパクトの創出に貢献して参ります。
i-nest capital株式会社 パートナー
本蔵 俊彦氏
約100年の歴史を持つアンモニア製造法は、化学肥料を通じて何十億人に食糧供給を可能にしましたが、つばめBHB社が開発した次世代技術は、さらに製造に必要なエネルギーを大きく削減し、環境に配慮した代替エネルギー生産技術です。また技術のみならず、装置を途上国に設置する「地産地消」モデルは事業としても画期的で、同領域でグローバルリーダーとなり得る将来性を評価しています。資金提供に加え、豊富な支援実績、ネットワークを活かし、つばめBHB社の企業価値向上に貢献してまいります。