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グリーンアンモニアの小規模生産に向け、Hynfra社とつばめBHBが覚書締結

Publish :
2022.12.26

ポーランドのHynfra社が検討している小規模分散型アンモニア生産において、つばめBHBの技術を適用した場合の経済性等について両社にて共同検討を実施するために覚書を締結しました。つばめBHBは日本のアンモニア技術サプライヤーとして、アンモニアの小規模生産に適した革新的な触媒技術を有する企業です。つばめBHBが開発した技術は、暖房セクターのほか、再生可能エネルギー貯蔵分野や水素キャリア分野に利用することができます。

つばめBHB株式会社は、同社が開発した革新的な触媒であるエレクトライド触媒を利用したアンモニアの小規模生産プロセスを有する日本企業です。この触媒を利用すれば、現在市販されている技術と比較して低温・低圧でアンモニアを合成することが可能です。
Hynfra P.S.A.は、グリーン水素の生産に適した技術統合・システム設計を手掛ける企業です。グリーン水素は窒素と合成することで、アンモニアを生産することができます。このプロセスでは、二酸化炭素を排出しない水素生産技術を使用しています。そのため、グリーン水素を原料として生産したアンモニアも「グリーン」アンモニアと呼ばれています。またHynfra社は肥料業界における長年の経験も有しています。
アンモニア(NH3)の分子は、空気から抽出した窒素原子1個と水素原子3個で構成されており、燃焼時にCO2を排出しないというエネルギー転換の観点から重要な特徴を備えています。
Hynfra社は、市町村・行政区の暖房セクターなどで使用される小規模な分散型グリーン水素施設などに、つばめBHBが開発したソリューションの利用が可能であると考えています。

Hynfra社CEOを務めるTomoho Umeda氏は、「水素は、その物理的・化学的性質から大規模施設における貯蔵には適していません。したがってアンモニアは、効果的な水素キャリアとしての役割だけではなく、脱炭素化が困難なセクターに利用可能な低排出燃料としての役割も担いはじめています。アンモニアの小規模生産が可能になれば、水素自体の貯蔵だけではなく、水素をキャリアとする再生可能エネルギーの貯蔵についても、従来型の生産工場に資本集約的な投資や大規模な投資を行うことなく、より柔軟に対応することが可能となります」と語っています。

つばめBHB代表取締役CEOを務める渡邊昌宏氏は、「今回の覚書締結により、Hynfra社はアンモニアの小規模生産分野におけるつばめBHB独自の技術を活用し、事業を実施することが可能になると考えます。当社のソリューションは、(窒素肥料業界を中心とする)従来のアンモニア市場において力を発揮するだけではなく、特に水素貯蔵やその長距離輸送に関連する課題を抱えた新たな分野でも効果的に活用できると私たちは考えています」と語っています。

現在、アンモニアは主に肥料生産に使用されており、その生産には天然ガスが使用されています。現在の生産方法はハーバー・ボッシュ法を基盤としており、高圧と高温が必要であることから、アンモニア生産を大規模に実施せざるを得ない状況が生じています。
ポーランドにおいて、最も大量のプロセス水素を生産しているのが肥料業界です。また同業界は、国内で最も大量のGHG汚染物質を排出し、天然ガスと電力を消費している業界のひとつでもあります。アンモニアの生産にグリーン水素を使用することにより、気候変動に関する目標の推進に加え、発電ユニットから最終利用者までの距離を短縮する分散型再生可能エネルギーの構造をこれまで以上に強力にサポートすることが可能となります。

Hynfra社 https://www.hynfra.pl/?lang=en